7:1[saga]
2018/03/17(土) 23:51:15.73 ID:Kkr9l5xs0
4.夜
「おねーちゃーん! ごはんできたよー!」
「今行くよー!」
ハンバーグだっ、匂いが鼻に広がって来て身体が軽くなる。
「おお〜! おいしそうだねぇ」
「えへへ、さっ食べよ?」
いただきますと手を合わせ、味わってハンバーグをかきこんだ。
しばらく憂は私に今日の出来事を尋ねて、普段と対して変わらない日常の語りを楽しそうに聞いてくれた。
「あ、そうだお姉ちゃん」
憂は席を立って音楽プレイヤーを持って来て差し出した。
「今回の学園祭には間に合わなかったけど、これ。結構自信作なんだ。後で聞いてくれる?」
後で、というのは食事中だからだろう。私は最後の野菜を口いっぱいに詰め込んでお皿を下げると、面白そうに笑う憂にしたり顔をして、イアホンを耳につけた。
♪〜♪〜
「今回はね、ちょっと落ち着いた曲にしてみたの。ほら、『ごはんはおかず』が結構ポップな曲だったからね」
私は少し新鮮だった。こんなゆっくりとした、こういうのをバラードって言うのかは分からないけれど、そんな曲を憂が作ったのは初めてだったからだ。
「どうかな……?」
「すごいよ……さすが憂!」
うーいー、と私は抱きつく。
本当はこの曲も入れたいんだけど、3日後じゃ流石に間に合わないよね。
「いつもありがとね」
「うんん、お姉ちゃんのおかげで私、いつも頑張れてるから」
面と向かってそう言われると、とても照れる。私はパソコンの前のイスに座って、
「この曲、あずにゃんにも聞かせてあげよ! いいよね?」
「もちろん! え、でも梓先輩? 澪先輩じゃなくて」
「もちろん後で澪ちゃんにも見せるけど、まずギターの梓先輩の意見を聞きたいっす!」
後でキー太にも教えてあげよう、私は溢れるものを抑えきれずに、あずにゃんに向けてのメールを打ち込んでいったのだった。
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