唯「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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64:1[saga]
2018/03/18(日) 22:58:36.93 ID:61wO2nel0
52.

「じゃあね〜!」

「ああ、また明日なー!」

私はあずにゃんと2人きりになる。不思議な時間だった。

「……唯先輩!」

「ん、どしたの?」

「な、なんというか……。私は……」

なんだろう。あずにゃんは自分で言いだしてから顔を真っ赤にしてしまった。

「私は………………」

私は言葉の途中であずにゃんに抱きついていた。あずにゃんの強張った身体は、ゆっくりと解かれていった。
あずにゃんは恥ずかしくなったのか、抵抗し始め、

「ゆ、唯先輩。信号変わっちゃうので……」

「えへへ、そうだね。ばいばい」

「はい、さようなら」

あずにゃんは元気に手を振る。

私は笑えてたかな、もちろんだよ。


その時、彼女は固まった。恐怖の表情を覗かせる。

物凄いスピードでトラックが迫る。それはすさまじい迫力で、心臓にすぐ音の衝撃が届いた。

「あずにゃんっ!!!」

私は手を伸ばす。何の迷いも無かった。私は彼女のためなら死ねるのだ。

がしっと手を掴み、自分でも恐ろしいくらいの力であずにゃんを引き寄せる。


トラックは、あずにゃんのすぐ後ろを突き抜けていった。



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