唯「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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63:1[saga]
2018/03/18(日) 22:58:03.64 ID:61wO2nel0
エピローグ

51. あの日へ(1と同日)

……優しいキーボードの音が聞こえる。なんでだろう、すっごく懐かしい。

「あ、唯ちゃん。起きちゃった?」

ムギ、ちゃん……?

部室だった。私は長椅子で横になっていた。ドラムをいじっているりっちゃんと、ベースの練習をする澪ちゃんも見える。

「唯ちゃん……なんで泣いてるの?」

泣いてる?

「ん? 悪い夢でも見てたのか?」

私は首を横に振った。

「唯は子供だなぁ。ほら、もうすぐ下校時刻だぜ? 起きろよ〜」

りっちゃん、まだ頭がふらふらするよ。



「あずにゃんは……?」



3人は目を丸くする。そして互いにくすくすと目配せして笑いあう。

そして3人は私の方を指差した。

「お前が今、抱き枕にしてるじゃないか」

柔らかくてあったかいものがあると思ったら。あずにゃんのかわいい寝顔が覗いた。

「……んむ、ゆぃせんぱい……?」

あずにゃんも泣いていた。

あずにゃんもきっと、素敵な、残酷な夢をみたんだね。

「おはよ、あずにゃん」

私は思い切りあずにゃんを抱きしめた。あずにゃんは寝ぼけていたのかどうなのか、私のことを素直に抱き返してくれた。



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