57:1[saga]
2018/03/18(日) 22:36:04.96 ID:61wO2nel0
45. 憂side 演奏中
「キミがいないと何もできないよ」
そうだね。お姉ちゃんはずっと私に頼りきりだったもんね。
「キミのごはんが食べたいよ
もしキミが帰ってきたら
とびっきりの笑顔で抱きつくよ」
私はもう帰らない。
私はずっと、お姉ちゃんの笑顔を見つめていた。
あの日。
お姉ちゃんが1回目に失敗した日。
実は私のソウルジェムは殆ど黒に染まっていた。
そして今日、きゅうべえが言うには、私のソウルジェムはもう99%染まっているそうだ。
私のことなんかどうでもよくて。お姉ちゃんの笑顔が見たかった。
「キミがそばにいるだけでいつも勇気もらってた
いつまででも一緒にいたい
この気持ちを伝えたいよ」
私はもう満足しているのかもしれない。私はずっとお姉ちゃんと一緒にいたかった。それは本来無理な話で。いずれ大人になれば、私たちは離れ離れになる。その時期が、ちょっとだけ早まっただけの話。そんな物語。
「キミがそばにいることを当たり前に思ってた
こんな日々がずっとずっと
続くんだと思ってたよ」
「ありったけの『ありがとう』
歌に乗せて届けたい
この気持ちはずっとずっと忘れないよ」
「思いよ 届け」
届いたよ。お姉ちゃんの想い。99%のお姉ちゃんの想い。
私には全て分かっているつもりだった。
お姉ちゃんのことで、知らないことなど何もない。そう思い込み、安心していた。
私は悔しがっていた。お姉ちゃんは高校で変わった。私の知らない人になりつつあった。
『でも、私は知った』
そんなのは当たり前で、変わりつつあるお姉ちゃんを、いっそう愛おしく思った。
でもね、これは誰に対してなのかな、生んでしまったんだ。
『1%の嫉妬を』
99%のソウルジェムが、100%真っ黒になった。
69Res/77.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20