56:1[saga]
2018/03/18(日) 22:34:21.88 ID:61wO2nel0
44. Walpurgisnacht
「唯、しっかり持ったか?」
「うん、大丈夫だよ」
私は憂の座る車椅子をりっちゃんと持ち上げる。階段は結構つからった。
「お姉ちゃん……無理しないで……」
「大丈夫だよ、憂」
私は憂の頭を撫でる。憂は随分顔色が悪くなって、立ち上がることもできなくなってしまった。医師は、通常なら意識不明でもおかしくないと言っていたくらいだ。
車椅子を下ろし、部室に運び入れる。そこでは澪ちゃんとあずにゃんが準備をしていた。
私たちは言葉少なに、でも確かに繋がりあって、演奏の準備を終えた。私は憂の元に歩み寄る。
「憂。私の想い、ちゃんと込めたから。だから、最後まで聞いてね」
ムギちゃんと、そして憂に送る歌。
15年間の想いを、思い出にする歌。
みんなを見やる。無言で頷き、また憂に向かう。
「じゃあ聞いてください。……『U&I』!」
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