唯「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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55:1[saga]
2018/03/18(日) 22:32:52.23 ID:61wO2nel0
「なんだ?」

「なんでここにいるの? なにしてるの?」

澪ちゃんはちょっと目を丸くして、また画面に目を戻した。

「なんでって、唯を探しに来たんだよ。なにをっていうのは、見ての通り曲の肉付けだよ。唯が歌詞作ってくれたよね」

「歌詞は、作ったけど」

でも、おかしいよ。私は軽音部とさよならしたもん。みんなにちゃんと、お別れを言ったもん。

「一つ言っとくぞ」

りっちゃんは私のほっぺたをぐにぐにつまみながら、

「私はずっと考えたんだ。唯のこと。それでやっとわかったよ」

なあ澪、梓、とりっちゃんは、顔は見えないけれどいつも通りに、

「私はずっと、ずっと唯のことを親友だと思ってるって」

私の心に水が注がれていた。

それは黒でも赤でもない、空色の水だった。



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