54:1[saga]
2018/03/18(日) 22:28:56.69 ID:61wO2nel0
43. 唯side
「っ……!」
人の話し声だ。懐かしい声。虚ろな意識を2つの影に向けた。
「おはよう、唯」
「あず、にゃん……? 澪ちゃんも……」
わけがわからなかった。なんで、ここに2人が?
「おーい唯、起きたんならピアノパートの作成手伝ってくれないか?」
澪ちゃんは私の方も見ずにパソコンの画面に没頭し、手招きしている。
私が戸惑っていると、部屋のドアが開いた。
「あーさっぱりしたっ! おっ唯起きたか、シャワー借りたぞ」
「りっちゃん……」
あずにゃんもりっちゃんも、私に構わず澪ちゃんの画面を覗き込んでいる。私はそんな3人を、ぼうっと眺めていた。
「ゆーい、ちょっと見てくれよ」
「う、うん」
私は言われるがままに澪ちゃんの横に座らされた。ここなんだけどな、澪ちゃんはそう言って私にイアホンの片耳を差し出して再生ボタンを押す。
「えっとね、私はもっと細かく行ったほうがいいと思う……」
「そうか? うーん、ちょっと待って」
澪ちゃんはまたカタカタと修正を施す。1分くらい待って、
「こんな感じか?」
そう、そんな感じ。私は一回だけ頷いた。
「聞かせてくれる?」
私はあずにゃんにイアホンを渡した。
「あー確かに、こっちでもいいかも」
「オッケー、じゃあこっちに差し替えるな? これに合わせてもうちょっと修正するか」
「ねえ澪ちゃん」
やっと澪ちゃんは私の方を見た。
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