唯「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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47:1[saga]
2018/03/18(日) 21:46:50.58 ID:61wO2nel0
37. 10分後

「おい! 今入るな!」

部屋の外で澪ちゃんが誰かを止めていた。憂はもう寝息を立てていて、私は部屋を出ようとしていたところだった。

ガラッと扉が開けられた。そこに立っていたのは綺麗な黒髪と、さっぱりとした赤い髪の女の子だった。

「魔法少女……?」

「ええ、そうよ」

「で、どっち? 寝てる方? 起きてる方?」

「寝てる方よ、杏子」

どういうことだろう。まるでこの2人は、憂を殺しに来たみたいな言い方じゃないか。

私は反射的に魔法少女になっていた。

「ちっ、そういやこいつはやっかいな能力持ちじゃなかったっけー?」

「任せて」

黒髪のほうは私と似た装置に手をかけると、一瞬で私の目の前に来た。

「悪いけど、転移の技は使わないでくれるかしら」

私の方の装置は、根っこから切断されて地面に転がっていた。

「抵抗しないでもらえる? 私としたらあんたを殺す手間が省けてラクなんだよ」

「なんで憂を狙うの……?」

「なんで? 納得したら殺させてくれるのかい?」

それは、そんなわけない。



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