46:1[saga]
2018/03/18(日) 21:39:29.91 ID:61wO2nel0
36.
「……お姉ちゃん」
私は憂のベッドの側まで来て、椅子に座った。
「澪ちゃんごめん、2人にしてくれるかな」
澪ちゃんは心配そうに頷いた。
私は憂に向き直ると、精一杯笑おうとした。
「お姉ちゃん、お医者さん、なんて言ってた……?」
「憂はね、」
精一杯気づかれないように。精一杯いつも通りに。
「頑張りすぎちゃったんだよ。疲れが溜まってるんだってさ。しばらく、魔女狩りは任せてよ」
憂は真っ直ぐ私の目を見つめていた。ああまた嘘がバレたな、とすぐに分かってしまった。
つらい空白の後、憂は頷いた。
「お姉ちゃん、私のこと、忘れないでね……」
忘れるわけないよ。たった1人の、妹なんだから。
憎かった。こんなにも簡単に、私は大切な人を失うのだった。
さよならだね、憂。
私の涙も、黒く濁っていた。
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