唯「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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41:1[saga]
2018/03/18(日) 21:10:40.03 ID:61wO2nel0
32. 同日放課後

部室には行かなかった。

私はどこに向かっているんだろう。

「唯!」

誰だろう。この声は、

「あずにゃん」

走ってきたんだろうか。ツインテールが崩れていた。

「どうしたの? 私、今日は休むって澪ちゃんに言ってあるよ」

「知ってるよ。律と昼休みに喧嘩したってことも」

喧嘩、か……。

「何があったの? 新曲のことかな、それとも桜高祭のこと? まさか魔法少女のこ……と……」

私はあずにゃんに抱きついた。

「あずにゃん、一回しか言わないからちゃんと聞いてね?」

あずにゃんは固まっていた。私はあずにゃんの頭を撫でると、

「私、ずっとあずにゃんのこと大好きだったよ。もちろん、友達としてね。ずっと、親友だと思ってた」

ちっちゃくてかわいい同級生。対等な同級生。私たちは、親友以外の何物でもない。私たちはとても「親友」だった。

「じゃあね……りっちゃんと澪ちゃんのこと、よろしくね」

私はソウルジェムに手をかけると、空間転移でその場から逃げた。



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