唯「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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38:1[saga]
2018/03/18(日) 21:01:10.56 ID:61wO2nel0
31. 次の日

「おーい、ゆーいー」

遠くからりっちゃんの声が聞こえる。机でだらーっとしている昼休み。りっちゃんが私の前の席に座った。

「ほら、いちご牛乳。私のおごりだ」

「……りっちゃん、ありがと〜」

「元気出せよ、何あったか知らないけどな」

りっちゃんもコーヒー牛乳を飲んでいた。私はストローでちゅーちゅー吸った。

「元気ないように見えるかな」

りっちゃんは私を見ると、はあ? と言うように笑った。

「当たり前だろ〜? 唯のことなんてお見通しだ」

流石りっちゃん隊員、なんていつものノリも疲れて言えない。久しぶりに感じた疲労感だった。

「で、何があったんだよ」

りっちゃんの真剣な目。

「ムギが朝から元気ないのと関係あるのか?」

やっぱりりっちゃんは鋭い。全体を見る力は伊達に部長ではない。

「まあ……ね」

りっちゃんに本当のことを言っても仕方がない。話を逸らしたかった。

「あの……ね、バイトで失敗しちゃったんだよ。それでちょっとブルーなんだ」

「まあ嘘はいいから。分かってるんだよ、最近お前が私や澪に隠し事をしてるってことくらい。梓やムギと一体何をやってんだ?」

りっちゃんが怖い。思わず姿勢を正した。



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