唯「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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24:1[saga]
2018/03/18(日) 00:06:47.75 ID:61wO2nel0
22. 唯side

ムギちゃんの話をかいつまんで話そう。

この地域は魔女がよく現れる地域だという。ムギちゃんが魔法少女になる前まで、巴マミという人がここを治めていた。巴さんが亡くなってから、代わりに魔女狩りの使命を負ったのがムギちゃんだった。

『他に2人に声をかけていたんだけどね、完全に嫌われちゃったみたいでさ』

きゅうべえはそんなことを言っていた。

今回私たちを魔法少女にしたのは、戦力強化のためだそうだ。最近この街の魔女たちが凶暴化している。ムギちゃんとともにここの魔女を駆逐するのが私たちの役目、だそうだ。

「あー! ムギちゃ〜ん!」

私は澪ちゃんやりっちゃん、あずにゃんと一緒にムギちゃんが来るのを待っていた。

部活が違うので待ち合わせるしかないが、終わる時間はほとんど同じのようだ。

「お待たせしてごめんなさい」

「全然待ってないよ〜。紹介するね、りっちゃんに、澪ちゃん! みんな軽音部の仲間だよ!」

「ゆーい、私と澪は一年のとき琴吹さんとクラス一緒だったし分かってるって」

私はあずにゃんにしたのと同じように、2人にムギちゃんと呼ぶよう言いつけた。

「まあとにかくよろしく。ピアノやってるんだよね、音楽つながりで……ってコレ!!」

りっちゃんは突然ムギちゃんに詰め寄る。

「これ! 発売されてすぐ販売停止になったキンブリーのストラップじゃないか! なんで持ってるんだ!?」

ムギちゃんは少し驚いたようにしていたけれど、

「ほら、これもどう?」

「それは同じシリーズのグリード! まさか本物が見れるとは……。琴吹さん、いやムギ! ひょっとしてハガレンいけるクチか!」

「もちろん♪ 漫画は当然、アニメも全部揃えてます」

りっちゃんはムギちゃんの手をがしっと握った。

「ムギ、今日から私たちは同志だ。差し当り、明日なんてグッズ漁りにでもどうだ? もちろん2人きりで」

「あずるいー! 明日は私のキーボードの練習に付き合ってくれるって言ってたもん!」

りっちゃん、私が先に約束してたのです。抜かすのはずるいです。

「じゃー日曜日! どうだ? 予定あったか?」

ムギちゃんは少しぽかーんとりっちゃんを見つめていたけど、我に返ったようにぶんぶんと頷いた。

「じゃあその後私の部屋に来ない? ほらこれが写真。昔から集めてたから、かなりの量のグッズがあるの」

「ほぉ〜宝の山じゃあ〜」

「りっちゃんおじいちゃんみたいー」

「唯も同じような喋り方してたじゃん」

うっあずにゃん厳しい。

その後、私たちは騒ぎながらアイスを食べに行った。ムギちゃんはりっちゃんを中心に、みんなに溶け込んでいるようにみえた。

なんだか欠けたピースの一つが、きっちりとハマったような、そんな気がしていた。


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