20:1[saga]
2018/03/18(日) 00:01:26.32 ID:61wO2nel0
16. 唯side
あずにゃんは事故をよく覚えていないようだった。それよりも、
「私のせいで、魔法少女に……」
そう言って黙り込んでしまった。
「あずにゃん、そんな顔しないで。私、あずにゃんが笑ってるのを見たくて、自分の意思で決めたんだよ」
「でも……でも……」
あずにゃんは思いついたようにきゅうべえに詰め寄ろうとする。
「きゅうべえ! 私も魔「魔法少女になりたいなんて、言わないでね」
あずにゃんはびっくりしたように私を見た。自分でも顔が強張っているのがわかる。
「お願い。あずにゃんはいつも通りでいて? 私が帰れるような、そんな日常でいてくれないかな」
それでもあずにゃんは半泣きになってもじもじしている。そりゃそうだよね、あずにゃんは責任感が強くて、優しいから。
「そ、それにさ! ほら! 可愛いでしょ? さわちゃんの衣装より派手派手だよね〜!」
「お姉ちゃん、私はちょっと恥ずかしいよ……」
「憂、そんなのすぐに慣れちゃうんだよ〜。お姉ちゃんが保証してあげる!」
ほんとに「魔法少女」って感じの衣装だ。流石の私もびっくりした。
あずにゃんはぷっと吹き出すと、いつもみたいに笑った。
「わかった。無理しないでね」
私は頷いた。あずにゃんが生き返ってくれて、本当によかった。
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