唯「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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19:1[saga]
2018/03/18(日) 00:00:55.97 ID:61wO2nel0
15. 梓side

「あずにゃんっっ!!!」

「ゆ、唯?」

長い夢でも見ていたような、かつてないくらい意識がぼやけ、さっきから何度も呼びかけられる名前が私のものだと、呼びかけている少女が唯だとやっと気づいた。

「だ、大丈夫!? 身体、おかしいところない?」

「く、苦しいよ。大丈夫だよ」

唯はくっついたまま離れようとしない。私は抵抗するのをやめて、泣きじゃくる唯の頭を撫でていた。

近くで憂ちゃんが少し困ったような笑顔でこちらを見守っていた。それにしても2人とも、変な格好だ。

「憂ちゃん、これは一体……」

「えへへ、もうちょっとだけお姉ちゃんに付き合ってあげてください」

なんだか心の黒く染まった部分が洗い落とされていくような気分。まるで唯に居場所を確立させてもらっているようで、私はとてつもない安心感に浸っていた。

私は確かに、ここにいる。




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