16:1[saga]
2018/03/17(土) 23:58:30.23 ID:Kkr9l5xs0
13.
「なんでも一つ、願いを……」
きゅうべえは私にした説明を、もう一度憂にもした。
「お姉ちゃんは絶対、梓先輩を生き返らせたいの?」
私は頷いた。
「今後の人生が、180度変わると知ってても?」
迷わず頷いた。
「私はね、あずにゃんを助けてあげられなかったんだ。目の前にいたのに。手を掴めなかったの」
私はきゅうべえに向かって手を伸ばした。
「その手が、ここにあるんだ。今摑めるんだ。今度は躊躇わずに、ちゃんと助けてあげたいんだよ」
あの時の躊躇い。トラックの音への怯え。私は一瞬、身が竦んでしまっていたんだ。
「わかった」
憂はきゅうべえの元に歩み寄り、こう言い放った。
「きゅうべえさん、私も一緒に魔法少女になりたいです」
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