12:1[saga]
2018/03/17(土) 23:55:34.79 ID:Kkr9l5xs0
9. 6日後
「……唯、唯」
雲はゆっくりと流れる。ゆっくりと時間も流れていった。あの出来事が6日前だということが嘘かのようだ。私はなんとか、しばらくぶりに学校に登校してきた。
「唯、次の美術、頑張れる?」
和ちゃんはいつもより優しく話しかけてくれる。和ちゃんもあずにゃんと仲良かったから、辛いと思うのに、私の気遣いをしてくれる。
クラスのみんなもそうだ。あずにゃんは私とはクラスが違うから、あずにゃんを直接知っているクラスメイトはあまりいないので、みんな軽音部の、特に私の心配をよくしてくれた。
私は和ちゃんに頷くと、私の頭を撫でてくれた。
「あんまり無理しちゃだめよ? 辛い時はみんなに頼ればいいし、逃げたい時は私に頼ればいいから」
私はまた頷いた。ありがとう、そう心の中でお礼を言った。
その後の美術の時間、授業中に発作的に泣き出した私を、和ちゃんはすぐに教室から連れ出して、泣き喚く私をずっと抱きしめてくれた。
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