97:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 21:12:36.27 ID:/PNdWRIK0
「お店を予約してあるので、行きましょう♪」
俺の手を取り、ご機嫌な様子で茄子が歩き出す
俺は茄子に引っ張られる形で後を追うのだが、手に感じる暖かさと、しっとりとした滑らかな感触に少しどきまぎした
98:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 21:22:46.07 ID:/PNdWRIK0
「さぁ、着きましたよ〜」
そして到着したのは、やたらと高そうな料亭だった
雰囲気からして高そうだ、これは俺の財布の中身が心配になる
99:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 21:29:56.64 ID:/PNdWRIK0
たくさんの仲居さんに案内されたのは、これまた立派な拵えの和室だった
すげえな、美食倶楽部みてえだ……なんて思わず言葉が出たほどだ
「和室は落ち着きますよね、畳に襖に、それに障子、そして私」
100:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 21:38:56.50 ID:/PNdWRIK0
こういう店は料理が順番に出てくるものとばかり思っていたが
正月ということもあり、おせちという形で提供してくれるらしい
俺としても、マナーがあまりわからないので、出されたものをただ食べるだけのほうがありがたい
101:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 21:43:04.41 ID:/PNdWRIK0
「さぁ、どうぞ〜」
お銚子をもった茄子に催促されて、酌をしてもらう
「ほら、お返しだ」
102:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 21:49:20.06 ID:/PNdWRIK0
「はぁ、おいしい」
ふぅ、と色っぽい吐息を吐く茄子
それを見ないふりをして、自分の杯を空けた
103:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 21:55:39.50 ID:/PNdWRIK0
「さぁ、どうぞ♪」
ぐいっと俺の前に出されたのは伊達巻だった
「あーん、です」
104:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 22:07:02.61 ID:/PNdWRIK0
「美味いな、うん」
「それじゃあ私にも、あーん♪」
ええ……可愛……じゃなくて自由すぎかよ
105:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 22:14:11.44 ID:/PNdWRIK0
「茄子、ほら」
「あーん♪ うん、美味しいですね〜」
「ほらほら、これもお食べ」
106:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 22:21:30.06 ID:/PNdWRIK0
空のお銚子が何本も増え、料理もだいぶ減ってきたころ
「私、隠し芸しますっ」
と、意気揚々に茄子が言って、どんな隠し芸かと聞く前に和服の帯を緩め始めた
107:名無しNIPPER[saga]
2018/03/13(火) 22:32:12.71 ID:/PNdWRIK0
「あら、どうしたんですかプロデューサー? これからがいいといころですよ」
「あー……ちょっと首の具合がね、悪くてね」
だいぶ苦しい言い訳だが、素直に茄子を見るわけにはいかない
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