44:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2018/03/21(水) 13:35:31.79 ID:lomSQdP90
何一つ共感できない犯行理由をぶちかましたこの女は「きゃっ、言っちゃった」的な恥じらいを出しつつも満足そうな顔をしている。
完全に理解できない思想。理解してはいけない思想。
今このご時世で、やりたいからやったなんて理由がまかり通るような世紀末な世界ではない。
なるほど、目の前のこいつはやばいやつなんだなと理解した体が勝手に後ずさる。
少年「た、た」
厳つい人「どうしたお前。そっちには窓しかないぞ。そうか外の空気を吸いたいのだな!」ポンッ
蜘蛛の人「なに言ってるんですか! 窓から飛び降りるつもりで―――「よくやるヨ?」うるさい人外!!」
飛び跳ねて窓枠に足をかける。外、目がくらむほどの高さ。
天使「あらあら、無謀な挑戦は青春の特権だけど、背中に翼がなければ飛ぶことは叶わないのよ?」
悪魔「自分の限界を試す姿勢! 良し!!」
厳つい人「青春は待ってはくれねぇ。止まるんじゃねぇぞ」
後ろには異常者。
どっちがマシか。もちろん空で―――
蜘蛛「あぁ! やばいっ!!」
パキンッ
飛び降りようとした足が動かなかった。恐怖でこわばったとかじゃない。ぴくりとも動かない。
いや足だけじゃない腰も、窓枠にかけた手も。
「14時38分現行犯。誘拐及び見たところ恐喝。被害者確保」
蜘蛛「あぁ、助かりましたよ! ヒョウカさ―――」
「封印凍結。対象べリア、セラフ、オルキヌス、セルリア、クレル、ヤツカ」
「―――――執行」
景色が瞬いて
―――真っ白になった。
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