少年「俺のクラスは亜人だらけ」
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230:亜人好き ◆HQmKQahCZs
2018/12/14(金) 11:45:41.19 ID:y8iP/2u10
「ちょっと! 落ち着いてくださいよっ」

少年「お、落ち着くもなにも、そっちがなんかやってきたんだろ!?」

左手で鍵を外し、窓を開ける。

外から風が吹き込んできて机の上に置かれていた書類と夏に追われている春の気持ちが床に散らばった。そうだ、もうすぐ夏が来る。

「あー、確かにそうであるがこれにはきっと事情がだな。なぁセルリア」

「間違えたのヨ」

体をずらして窓の前に立つ。全力で後ろに飛べば逃げることはできるだろう。後ろから、からし入りシュークリームを売り歩く声が聞こえる。どうやら今日はセールでお得らしい。なんと薬指一本で7個貰えるらしい。実にお得だ。

見渡してもすぐに俺の体を掴めそうな距離には誰もいない。彼我の距離は休日の時間よりも長い。休日を待ちわびる平日より短い。帯に短したすきに長しとはきっとこのことをいうに違いない。

俺はふわふわと漂っている酸素を空気を素早く吸うと―――

「あぁ!! 飛んじゃいますよ!?」

「ほう、元気が溢れているようだな」

「“飛ん”じゃうなんて“とんで”もないよ!! なんちて、なんて言ってる場合じゃないね。あわわわ」

俺は思いっきり後ろへと体を逸らしながら跳躍した。



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