少年「俺のクラスは亜人だらけ」
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220:亜人好き ◆HQmKQahCZs
2018/12/03(月) 15:50:18.47 ID:KpvaPj/X0
デザートを食べ終わり、礼を言ってミレイアの教師と別れる。

迎えが来る時間はとっくに過ぎている。1時間ほど待たせただろうか。

申し訳ないと思いながらミレイアと車まで向かうと運転手は俺だけを睨んでいた。わかってはいるけども、なぜだ。

ミレイア「はー、疲れた疲れた」

車に乗り込みながら靴をぽいぽいと投げ捨てるミレイア。俺はミレイアの靴を拾いながらそれに続いた。

乗り込んで向かい合わせになるように座席に座ると扉が閉められ、すぐに発車した。

微かに揺れを感じながら外を見ると、窓に映ったミレイアがこっちを見ていた。

少年「なんですか?」

ミレイア「………っ」

ミレイアは何も言わずにじっとこっちを見ていた。口元だけは何かを言いたそうにもごもごと動いている。

ミレイア「…えっと、あんた、私のこと好き、何でしょ」

少年「大切な義姉ですからね」

そう返すとミレイアは居心地が悪くなるらしく視線をきょろきょろと動かした。その様子が面白くて笑う。もちろん表情にはださない。

ミレイア「そ、そんなにこのミレイア様のことが好きなら………せ、精々良いように扱ってやるわ。だから、その」

ミレイア「………ありがとう」

一度剥がれた強がりを張りなおすのには時間がいるらしく、結局のところ今もまだしおらしいミレイアのままらしい。

ミレイア「ねぇ、あんた私の弟でしょ。その敬語とか苦手みたいだし、別に無理して私に敬語使わなくても、いいのよ?」

少年「でも体裁が、あるでしょう。それに敬語は、大事ですから」

ミレイア「………じゃ、二人きりのときは無理しなくていいわよ。これは命令よ、命令。あんたは弟なんだから姉の言うことは、聞きなさいよっ」

強引で不器用な優しさ。ミレイアは白い頬を紅潮させながら、早口でそうまくし立てた。

少年「……わかったよ。義姉さん」

ミレイア「ふ、ふんっ。なんか偉そうねっ。いいこと! あんたは私の弟なんだから! つまり奴隷みたいなもんでっ。う、うーっ!!」

言葉が見つからなかったミレイアが言葉の代わりにぽかぽかと俺を叩く。

いつもよりは痛くないその拳を義弟である俺は甘んじて受け止める。

俺は義弟なんだから、この強がりで意地っ張りで傲慢で不遜な義姉の言うことを奴隷よろしくはいはい聞いて行かなければならないのだろう。

まぁ、いっか。



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