ジャパニーズアベンジャーズ 特撮クロスオーバースピリッツ
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魔界岸
◆WzpMn05TJA
2018/03/17(土) 00:23:24.08 ID:CElREEq8O
「俺が見たのは鬼の姿をした怪物だった……何て言えるかよ……」
そんなこと言ってもクレアが混乱するだけだ……だから動物に襲われた不幸な事故だと伝えた方がまだ気が楽になるかと思った。
しかしそう伝えたのは鬼を倒して、この事件は終わったものだとばかり思っていたからだ。
まだ鬼を操っていた黒幕がいる……そいつを倒さない限り、トニーは浮かばれない。
「俺は今からそいつと戦いに行く だからトニーの仇を取るためにも教えてほしいんだ」
おそらくアジトがあるはず……しかもここの近くに。
怪しい人物はいないか、怪しい建物はないか、どんな小さなことでもいい。
甲平はクレアに情報を求めた。
「嫌よ! その話しが本当ならなおさらよ!だって教えたら甲平絶対に行っちゃうじゃない!」
クレアの様子がおかしい。
急に何かを思い出し、怯えているかのようにオロオロと落ち着きがなくなっている。
クレアが何かを思い当たることがあるに違いない……何とか聞き出さなければ……。
「クレア、トニーを殺した奴だぞ!? 野放しにしててもお前は平気なのかよ!?」
「だって相手は怪物なのよ!? せめて警察にも!」
警察に連絡しようと、受話器を取ろうとしたクレアの手を抑え、宥める。
「落ち着けクレア! 警察がどうこうできる奴らじゃないんだ!」
クレアの気持ちも分からなくはない……しかし警察とは言え、敵からすればただの一般人とそう変わらない。
今から戦うのは人間の力を遥かに凌駕したいわば文字通り「化け物」なのだ。
そんな化け物に対して警察官がいくら一般人より屈強だろうが、拳銃で対抗しようが軽く捻られて終わりだろう。
拳銃が命中しました、はい終わり……になるような奴ではないのだから。
「あなたが地球を守った戦士だったことは聞いたことがある! でも何年前の話し!? トニーまで失って、甲平まで私は失いたくない!」
それでも誰かがやらなきゃいけない……ましてや人外に対抗できる力持っているならなおさらだ。
でなければ、トニーのような悲劇がこれからも増えていくだけ。
「心配するなよ 俺は絶対に死んだりしない 生きてトニーの仇を必ず取ってくる 俺が一度でもトニーとクレアにウソついたことあったかよ? だから信じてくれ! トニーの為にも、そういう人を増やさない為にも!」
確かに甲平はトニーとクレアとの約束を一度も破ったことはない。
今回の約束が今までとは訳が違うのはもちろん分かっている。
敵が自分より強いかもしれないし、ビーファイターとして百パーセントの力を発揮することもできないのだから生きて帰れる保証なんてどこにもない。
しかしそれしかクレアを説得する言葉が見つからなかった……願うようにクレアの目を見ると、クレアは脱力したかのようにソファーに腰をかけ、頭を抱えつつも二週間前から始まった不気味な出来事について語り始めた。
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