花丸「──最後の誕生日。」
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5: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2018/03/03(土) 23:38:37.25 ID:P/7cf6ip0


    *    *    *





ダイヤ「花丸さん」

花丸「ダイヤさん?」


善子ちゃんが去ったあと、次に図書室に来たのはダイヤさんでした。


ダイヤ「主賓が抜け出して……って、わたくしも祝われるのが苦手だから人のこと言えないかもしれないわね」


言われて見れば1月1日──ダイヤさんの誕生日。

なにはともあれ、そんなことを呟きながら、優雅に足を運んで、ダイヤさんはマルの隣に腰を降ろす。


ダイヤ「まあ、それに……」

花丸「それに……?」

ダイヤ「少しでも長く、自分の居ついた場所に腰を落ち着けていたい気持ち。少しわかりますわ。わたくしにとっての生徒会室のように……ね」


ダイヤさんはそう言ってから目を細めて、虚空を見つめるような素振りをする。


花丸「ダイヤさん……」


それは生徒の代表として、学校を見守ってきた人の顔だった。


ダイヤ「……花丸さん」


そんなことを思っていたら、ダイヤさんがマルの方に向き直って

──ふわりと、頭を撫でてくれる。


ダイヤ「図書委員のお仕事……お勤め御苦労様でした。生徒会長として、お礼を申し上げますわ。」

花丸「……うぅん、マルが好きでやってたことだから」

ダイヤ「それでも、自分に課された役割を全うするのは立派なことですわよ。……確かに表立って何かするわけではないから、目立たない役職かもしれないけれど……それでも、この書架たちを見守ってくれたのは紛れも無く、貴方ですから。」

花丸「……えへへ、ありがとうございます」

ダイヤ「それと……その……」

花丸「ずら?」


打って変わって、ダイヤさんの歯切れが悪くなる。



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