花丸「──最後の誕生日。」
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11: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2018/03/03(土) 23:46:25.62 ID:P/7cf6ip0


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梨子「失礼します」

花丸「梨子ちゃん、いらっしゃい。」

梨子「誕生会の会場から、主賓に会いに代わる代わる一人ずつ来るってなんか可笑しいね」

花丸「あべこべな感じはマルもするけど……そういう流れみたいだから」

梨子「……私も花丸ちゃんもなんだかんだで誰かが作った変な流れに逆らえないところあるもんね……」

花丸「苦労はお察しするずら」

梨子「……お互いね」


梨子ちゃんは苦笑いしながら、少し離れた図書室の利用生徒が使う椅子に腰を落ち着ける。


梨子「えーっと……そうだなぁ、花丸ちゃんと二人っきりでお話したいんだけど……何を話そうかな」


梨子ちゃんは少し考え込んでから、


梨子「まあ、やっぱり曲のこと、かな」


そう切り出す。


梨子「素敵な歌詞、いつもありがとう」

花丸「うぅん、作詞もほとんどは千歌ちゃんが作ってくれてたし……マルはちょっとした手直しくらいで」

梨子「……そんなことないよ、私花丸の書く詩、好きだよ?」

花丸「えへへ……そう言われるとちょっと照れるずら」

梨子「それに私は曲先よりも詩先の人だから……千歌ちゃんだけだとどうにも進捗が詰まりがちで、そういう意味でも助かってたし。……あ、ごめん、えーと曲先って言うのは……」

花丸「楽曲を作る際に詩に対して音を置いて曲を作るか、曲が先にあってそれに歌詞を割り当ててくかってことだよね」

梨子「あ、うん。さすが花丸ちゃん。物知りだね」

花丸「たまたま本で読んだことがあっただけずら」

梨子「やっぱり本から得られる教養は幅広いよね。……まあ、詩先曲先以前に、そもそも歌詞のある曲を作ったのなんて初めてだったから、最初は上手く出来るのか心配だったけど」

花丸「マル、梨子ちゃんの作る曲、大好きだよ?」

梨子「ふふ……ありがと、花丸ちゃん」



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