【バンドリ】氷川日菜「あまざらしなおねーちゃん」
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39:名無しNIPPER[sage]
2018/03/01(木) 09:03:28.90 ID:ueeqel/10
2月15日
今日は病院での検査があった。
結果は異状なし。何も変わらず、私は私のままでいるようだった。
……相変わらず外を出歩くのは怖い。異常がないのなんて分かりきっているのだから、わざわざ病院に行く必要があったのだろうか。
ただ、心配そうな顔をする母と……日菜がそれで安心するというのなら、私はそれに従うしかない。
日菜といえば医者から話があるというので1人病院に残っていた。帰って来てから私の部屋に来たが、少しその目が赤かった。日菜でも泣くことがあるのね、と思ったが、いつも通り……いや、今日に限ってはいつも以上に明るく馴れ馴れしかったあの子のことだから、目に砂が入ったとかそういう理由かもしれなかった。
私は病院の検査が終わると、今日も1人部屋にこもる。そして決まって西日の射しこむ時間に曲を奏でた。
西日とアコースティックギターだけが今の私の理解者……友人だった。
ここ数日は、5日前に弾いたアーティストの曲ばかりを聞き、弾いている。
昔は暗い歌ばかり歌うアーティストだと思っていた。いや、今もそう思う。ただそれが今の私には妙に心地いい。
だが雨がテーマになっている曲は聞きたくなかった。雨音を聞くと、頭の中がうずき、胸の中がよく分からない感情で満たされて張り裂けそうになるからだ。
私は今日もギターを奏でる。
さよなら さよなら 思い出なんて消えてしまえ
どうせ明日が続くなら 思い出なんていらないよ
この足を重くするだけの感傷なら どぶ川に蹴り捨てた
ギターに没頭している時だけ、私はどこか救われた気持ちになっていた。
ただそれでも無性に泣きたくなる。歌詞に心を合わせているわけでもない。
なんでだろうか。分からない。
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