【バンドリ】氷川日菜「あまざらしなおねーちゃん」
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35:名無しNIPPER[sage]
2018/03/01(木) 09:00:38.06 ID:ueeqel/10
日菜「……っ」
日菜(気付くと視界が滲んでいた。俯いてそれが零れ落ちないように堪える)
日菜(だけど駄目だった。足元のアスファルトにポツポツと黒い染みが出来る)
日菜(……あたしが泣いてどうするんだ。こんなことでどうするんだ)
日菜(今、1番辛いのはおねーちゃんなんだ。せめて明るく接しようって決めたんだから)
日菜(止まれ。泣いてる暇なんてどこにもないんだから)
日菜(……そう思うほど、あたしは無力なんだと痛感させられる)
日菜(空元気を見せることしか、泣くことしか、あたしにはできないんだ)
日菜(もう嫌だ)
日菜(どうすればいい、どうすればいいの。どうすればおねーちゃんは笑ってくれるの)
日菜(考えても考えても考えても、答えなんて出てこなかった)
日菜(気付くともらった紹介状が握りしめられた拳の中でくしゃくしゃになっていた)
日菜(……でも、だからなんだっていうんだ。こんなのでおねーちゃんが救えるもんか)
つぐみ「……日菜先輩?」
日菜(もう全部、何もかも投げ捨ててしまいたい)
日菜(自暴自棄な気持ちが膨れ上がり始めた時、つぐちゃんの声が聞こえた)
日菜(あたしは1度だけ袖で目元を拭って顔を上げた)
つぐみ「……どうかしたんですか?」
日菜「ど、どうもしないよ。つぐちゃん、学校帰り? あたしはちょっと西日が眩しくってさ、あはは」
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