【バンドリ】氷川日菜「あまざらしなおねーちゃん」
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10:名無しNIPPER[sage]
2018/03/01(木) 08:46:34.98 ID:ueeqel/10
4月11日――(斜線で訂正されている)――2月7日
目を覚ますと悪夢のような現実が私を待ち受けていた。
心の中が整理できない。
何かにこの気持ちをぶつけないと頭がおかしくなりそうだ。
私の記憶では、確かに昨日は4月だった。ライブハウスでライブを行って、それに大きな不満しか抱けなかった。それが確かな記憶だ。
ところが気付いたら病院のベッドに寝ていて、今は2月だと言われた。最初は笑えない冗談だと思った。心配そうな表情で私を見つめる日菜に対し苛立ちさえ感じた。
しかしどうやら本当に今は2月で、私の記憶から1年近く経っているようだった。
字にすればそれだけのことだが、頭の中は混乱したままだ。
ロゼリア、パステルパレット――前者は私が、後者は日菜が所属するバンドだと言われた。
分からない。知らない。そんなバンドなんて聞いたことがない。
私はそのロゼリアというバンドでギターを担当して、充実した日々を送っていた……らしい。そんな自分にも苛立ちを覚える。
私の知らないところで私の知らない私がまるで甘い考えで音楽をやっている。それが許せない。私の目指すものはそんなものだったのか、結局、誰かに認めてもらいたいだけの承認欲求で音楽に携わっていたのか。
ふざけないで。
違う、私は違う。そんな考えでいるんじゃない、ちがう。ちがう、ちがうちがう
言葉が出てこない。あまりにふざけた現実に……いえ、これは果たして現実なのかしら。
寝て起きればもしかしたら変わるかもしれない。
これは夢。そう、寝て起きれば、明日は4月12日で、私はいつも通りの時間に起きていつも通りに学校へ行くだろう。
明日は風紀委員の朝の当番だったはずだ。もう寝よう。
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