81: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/11(日) 23:14:57.36 ID:h206M/Hho
「ところでプロデューサー。ここの契約をする時に私は確かに言ったわよね?
絶対に家の中でアイドルと二人きりにはなるなって」
「……はい」
「で、それを覚えててこのザマなの?」
「いや、帰ってもらおうとは思ったんだ。でも無理やりってのも可哀想で――」
「だからそういうところが馬鹿だって毎回言ってるんじゃないの! 再三注意してるように何かあってからじゃ遅いのよ?
やっぱりアンタはケダモノだって、お父様が判断すれば私のアイドル人生も終わっちゃうの!」
「……事務所、辞めなくちゃいけなくなるもんな。――ホントにごめん。
悪かった。伊織が心配してるように、すぐにでも連絡しておくべきだったよ」
自分の思っていた反応とは違う、意外にも殊勝な態度を見せたP氏に伊織も言葉を詰まらせる。
だがこれで下手に出るワケにはいかなかった。
なにせ彼女の方はP氏の上に立ち続ける主人であると、氏は生涯の下僕であると兎に誓った仲なのだ。
「そ、そうよ! 初めから私に相談すればよかったの。
……そうすればアンタの居場所を探してる間、馬鹿みたいにそわそわすることも無かったのに」
「えっ?」
「なんでもっ! と、とにかくアンタはこの伊織ちゃんに心ぱ――じゃなくて迷惑かけたワケなんだから。
契約違反でココを追い出されたくなかったら、お詫びとして週末の清掃作業を手伝いなさい」
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