76: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/11(日) 23:07:13.44 ID:h206M/Hho
否! 全ては現実に起きた出来事であり、海美も地上人として召喚されたりはしなかった。
どちらかと言えば彼女たちに起きたのはその逆だ。
次第にぼやけていた感覚が戻って来る。次いで眩んだ視界に捉えたのは複数の怪しい人影と、
部屋の入り口に仁王立ちする偉そうな少女の姿だった。
その少女はP氏たちに向かって二度、三度と不愉快そうに口をパクパクさせ、
周りの大人たちになにやら身振り手振りで指示を出すと。
「……で? アンタたち一体なにしてんの?」
時間と共に機能を取り戻し始めた聴覚がこれまた機嫌の悪さを隠そうともしない彼女の声音を拾った時、
P氏たち二人はようやく自分たちの置かれた状況を理解できた。
寝耳に水の……どころではない。就寝していたベッドごと、
冬の日本海に放り込まれたかのような言葉を失くす衝撃だ。
そうして自分たちを睨みつける立腹少女――誰あろう、
水瀬伊織の後ろからひょっこりと姿を現したのは奈緒と美奈子の二人である。
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