73: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/11(日) 23:02:53.82 ID:h206M/Hho
そうして、そんな魔界料理を完成させた海美から返って来た答えは。
途端に顔を赤らめて、もじもじと口にした呟くようなその答えは。
「え、えぇっとぉ……味見だったらちゃんとしたよ?
卵がちょっともちゃもちゃして、エビチリの味もちぐはぐしてたけど……」
P氏は未だ飲み込むタイミングを計りかねている
餅オムレツをもぐもぐさせながら「そうだろうそうだろう」と頷いた。
どうやら自覚はあったようだ。失敗することは悪くない。
反省点が見つかったならば経験は次回に活かせば良い。
それが素直にできるのが海美の持つ美徳の一つであり、
今回の犠牲となったオムレツとエビチリへの最低限の手向けと言える。
「ただ目立って悪いのはそれぐらいで、後は十分食べられる出来じゃないか」
ようやく口の中を空にできたP氏がエビ天の味について述べた。
大分やせ我慢をしたうえに言葉を選んだものだったが、
この感想を受けた海美はすぐさま彼に詰め寄ると。
「じゃあ、それって美味しいってこと?」
「まぁ……嫌いではない味だ」
彼女が嬉しげに尋ねるものだから、氏としてもそう返すしか道はあるまい。
だがその直後、料理の腕を褒められた喜びの余り大興奮した海美によって、
彼は開いていた口を超物理的手段で塞がれた。
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