53: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/06(火) 00:27:46.61 ID:AWCgvPWLo
「日頃から誘惑の多い劇場で健気に頑張るプロデューサーさん!
その貞操をあの人に目をかけて貰ってる私らが守ってあげんでどないするん!」
「そうだよ、それは分かってるよ! だから二人で一緒に来れるよう、あみだくじに細工をしたのもこのためで……。
って、違う違う! 今日はそういう危険無いハズでしょ? 相手があの海美ちゃんだもん」
「せやから焦ってるんやないの。……海美は安全やと思ってたんやけどな〜。見通しがちっと甘かったね」
だがここで美奈子は大げさに一度ため息をつくと。
「え〜……っと。つまりその、奈緒ちゃんはさ、二人ができちゃってるかもって話してる?」
「へっ? そのケジメをしっかりつけるために、タイくんだりまで手術受けに行ったゆー話をしとったやろ?」
「違うよ! 全然噛み合ってない! 私はプロデューサーさんに怪我をさせちゃった海美ちゃんが、
どっちが悪いとかの責任の取り合いで刺しつ刺されつの大惨事に――で、逃亡したり、心中したり」
「怖っ!? なんや美奈子のその仮説は! ドロドロドラマとちゃうねんで!?」
「だ、だって〜……。海美ちゃん性格のいい真っ直ぐな子だから、逆に思い詰めるとそれぐらいやりかねないかもって心配に……」
なんともはや、彼女はとんでもない想像をしていたものだ――
奈緒は思わず額を押さえると、芝居がかった仕草で嘆息した。
それと同時に、自分たちが随分と長い間ここに居たことにも気づく。
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