50: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/06(火) 00:24:46.17 ID:AWCgvPWLo
「大体、私らより先に来とる海美はドコ行ったん? あの子怪我させてしもた張本人やから言うて、
早や抜けしてまでプロデューサーさんに謝りに行ったはずやのに」
「そう言えわれてみればそうだよね。貼り紙を見て帰ったとか」
「私らに連絡の一つも寄こさんと? ……それか最寄りの温泉に押しかけて、プロデューサーさん探してたりしてな」
冗談めかして言う奈緒だが、ここで「まさか!」と気軽に笑い飛ばせないのが
二人の知る高坂海美という少女だった。スマホを取り出し美奈子が言う。
「じゃ、電話してみよっか」
「どっちに?」
「まずはプロデューサーさんからじゃない?
もしかするとコレ、無駄な来訪者はお断りって意味かも知れないし」
すると奈緒も揃いの携帯を取り出して。
「せやったら、私は海美に電話するわ。……一応チャイムも押しとこか」
ピン、ポーン! フロアに音楽が戻って来た。
だがオーディエンスは既に解散、いくらコールを呼び掛けてもレスポンスは一向に戻って来ず。
「う〜ん……プロデューサーさん、電源入れて無いのかな?」
「海美もや、うんともすんとも出てくれへん」
「家も、中で誰かが動いた気配はないし」
「普通に考えれば留守やろうけど……怪しい」
奈緒が表情を曇らせ考え込む。
自分たちの置かれた現状に疑問を持っている顔であった
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