34:名無しNIPPER[saga]
2018/03/02(金) 23:47:15.43 ID:DuFYOFWS0
夜9時過ぎ,バイトから帰宅し,もらった賄いを食べる.
その後,風呂へ入って(なんと共用ではなく個別なのだ)一息つく.
ようやく布団の上にごろんと寝転がった僕に向かって,PAIは待ちかねた様子で話しかけてきた.
35:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:00:42.35 ID:TiYpGBsM0
瞬間,PAIの波状攻撃が始まった.
すでに関係資料を用意しており,同様な謳い文句で違法薬物を運ばされ警察に逮捕されたケースなどを事細かに説明してくれる.
そこはさすがPAIの得意分野ということで,具体的なグラフやらデータを並べられると納得させられてしまいそうになる.
36:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:07:50.57 ID:TiYpGBsM0
苛烈な舌戦は,互いに譲歩することで終わった.
1;危険だと感じたら,すぐにバイトを放棄すること
2;PAIの言うことをしっかり聞いて考えること
37:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:10:18.33 ID:TiYpGBsM0
といって,PAIは普段と変わらない様子で今回の論争を総括していた.
「PAIは理解しました,ユウマは籠の中の鳥です.外に出て,外敵に襲われて初めて,籠の中の方が安全だったと
知るのでしょう」
38:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:14:54.37 ID:TiYpGBsM0
バイトをしたい旨を先方にPAIを通して電子メールで送ると,面接をするので明日の朝にどこどこに来てくださいと返信がきた.
次は面接か,頑張るぞ.
それから,PAIとの会話をきっかり30分おこなった.
39:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:36:45.05 ID:TiYpGBsM0
それにしても,明日のバイトが楽しみだ.
即5万円はでかい.これで一気に問題が解決へと進むだろう.
40:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:42:39.82 ID:TiYpGBsM0
次の日,格別の晴天が僕を迎えた.
自然と気分も軽くなり,駅まですいすいと歩き,目的地付近の駅まで向かうモノレールへ乗り込んだ.
窓でUVカットされ肌にも優しい日光に包まれていると,乗っている時間があっという間に過ぎていく.
41:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:47:09.78 ID:TiYpGBsM0
眼鏡に搭載されたPAIにとって,悪人と遭遇した際にできることは多くない.
精々強力な光を悪人へ照射して,目くらましする程度だ.
PAIの名誉のために言っておくと,視覚に関わる機能はそれなりに優れていると僕は思っている,
42:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:55:30.18 ID:TiYpGBsM0
照り付ける太陽の光に目を細めながら,僕はPAIへ「視線で」話しかける.
ユウマ:いい天気だ
43:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 00:58:43.85 ID:TiYpGBsM0
PAIのおかげで,最大までふり絞られた画面は,太陽以外真っ暗な世界だった.
ところどころ,胡麻のような黒点がみえ,時折フレアによって太陽の境界が揺れる.
ああ,今の時代はモノレールの窓越しに,太陽の黒点だって見えてしまう.
44:名無しNIPPER[saga]
2018/03/03(土) 01:13:10.67 ID:TiYpGBsM0
ユウマ:と,思ったのだけどPAIはどう思う
PAI:ご安心ください.人類が宇宙を解明する前にあと百回は人類は滅びます
ユウマ:だからバイトしていて,いいのか?
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