男「高度文明の異世界で動物園の檻に入れられた俺」
↓ 1- 覧 板 20
1: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:19:07.39 ID:7el1lKnK0
男(檻の中から外を行き交う異世界人を見ていた)
男(俺を興味深げに見てくる異世界人、俺が目当てじゃないのか素通りしていく異世界人、俺を指さしながら親に質問している異世界人の子供)
男(様々な視線に晒されるのは気分が良くなかった。過去形なのはもう慣れたからだ)
男「アホらし……」
男(異世界人観察に飽きた俺は、檻の中に備え付けられたパソコンに似た端末を起動する)
男(すると檻の外からどよめきが聞こえてきた)
男(この反応にも慣れたな。まあ分からんことでもない、俺だってチンパンジーがパソコンを弄り始めたら驚くだろうし)
男(言語は全くもって分からないが、仕組みは似ているため直感的に操作する。動画サイトを開いて、言葉が分からなくても楽しめるリアクション系動画を探し始めた)
男(言うまでもなく現実逃避だ。だが、逃避したくなる俺を誰が責められるというのか)
男(俺が直面している現実は……異世界の動物園でその檻の一つに入れられ見世物にされているなんてものなのだから)
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:19:35.42 ID:7el1lKnK0
男(事の始まりはいつも通りの朝、高校への通学路で起きた)
男(地面が突如光ったと思ったら、次の瞬間には全く別の光景が広がっていた)
3: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:20:02.52 ID:7el1lKnK0
男(それまでが約一ヶ月ほど前の出来事)
男(10m四方の檻――今ではそれが俺の世界の全てだ)
4: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:20:36.58 ID:7el1lKnK0
男(チリン、チリンとベルの音が鳴った)
男「そろそろ昼飯の時間か……」
5: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:21:08.06 ID:7el1lKnK0
男(高校生、成長期の時分である俺はペロリとたいらげると眠くなってきたので横になる)
男(もちろん寝るからといって一人になることは出来ない。ベッドだって檻の外の客に見える位置にある)
6: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:21:38.14 ID:7el1lKnK0
男(とはいえ俺も起きる義理はないので、その声を無視して寝る)
男(寝ている姿も愛らしいのかは分からないが、興味深そうに見ているやつはいるしな。それにああいう子供の駄々は長く続かないものだ)
7: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:22:09.27 ID:7el1lKnK0
男(時刻は夜、ということでこの頃になると客の数も少なくなってくるのは異世界でも一緒のようだ)
男(視線も少なくのんびり出来る。とはいえ、昼寝をたっぷりしたためまだ眠くならない)
8: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:22:36.64 ID:7el1lKnK0
男(営業時間が終わったのか客の姿が無くなる。すると檻の中に異世界人の飼育員が突然現れた)
男(文字通りの意味だ。おそらく瞬間移動装置なる物がこの異世界には存在するのだろう)
9: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:23:05.99 ID:7el1lKnK0
男(ようやく訪れた一人の時間)
男(とはいえこの檻の中で出来ることは限られている)
37Res/17.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20