男「高度文明の異世界で動物園の檻に入れられた俺」
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7: ◆YySYGxxFkU[saga]
2018/02/26(月) 21:22:09.27 ID:7el1lKnK0
男(時刻は夜、ということでこの頃になると客の数も少なくなってくるのは異世界でも一緒のようだ)
男(視線も少なくのんびり出来る。とはいえ、昼寝をたっぷりしたためまだ眠くならない)
男(厳然と俺の世界を区切る鉄格子をぼーっと見ているとふと感情が蘇る)
男(最初の頃はこんな檻の中から脱走してやると思っていた)
男(当然だ、こんなところで一生を終えるなんて我慢ならない。俺にはもっとしたいことがあるのだから)
男(だからよくあるエスケープ物のように監視の隙を見つけて、どうにか脱走しようと計画を練ったが……結論から言って隙など無かった)
男(檻の中からでも見て分かるような隙なんてものは、物語の起伏上必要で作者により恣意的に配置される物だ)
男(この現実にそんなものは存在しない)
男(元の世界だって動物園から動物が脱走するなんて事はほとんど無かった)
男(大事な見世物だ、脱走されないようにちゃんと管理するのは当たり前のことだ)
男(それでも時折出てくる脱走した動物の末路は、すぐに捕獲されてまた動物園に戻されるか、はたまた殺処分だ)
男(だから俺は脱走を諦めた。夢だったり目標だったりを諦めさえすればここは天国だった)
男(ただ生きるだけならこれ以上の環境はない)
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