13:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:00:25.25 ID:q6OJlgc60
「25歳」
私の年齢なわけだけれども、他の25歳はどうしてるのだろうか。仕事で順調にキャリアを積み重ねていってるところだろうか。
もう結婚して主婦やってたり、お母さんやってたりするのだろうか。
私も仕事で積み重ねていってる、と言ってくれるだろうか。
でもそれは「アイドル」としてじゃない。
14:名無しNIPPER
2018/02/26(月) 19:00:36.66 ID:QYi0BqtSo
よければ一行空けながらお願いしたい
仕様ならあれだけども
15:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:01:20.50 ID:q6OJlgc60
そんな私を、ファンの人たちは応援してくれる。
あの時から何も変わってない私なのに、それでも応援してくれる。顔なんてみんな覚えてしまった。
いつもラジオにメールをくれる人、毎月決まって十五日に手紙を送ってくれる人、お米だったり野菜だったりを送ってくれる人、高価なものを送ってくれる人。
その人たちは決まって、私にこう言ってくれる。
「これからだよ。 俺たちはトップアイドルになれるって信じてるから」
16:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:01:51.58 ID:q6OJlgc60
>>14
ありがとうございます。
次から空けてみます。
17:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:03:39.97 ID:q6OJlgc60
でも私はファンを裏切り続けている。
それに私はもう一つ裏切り続けている存在がある。
私が今まで倒してきたアイドルの「思い」だ。
18:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:05:07.34 ID:q6OJlgc60
託された私が、上がれなければその人たちの思いは無駄になってしまう。
そう考えると、止まることなんて出来なかった。
言い訳かもしれない。
19:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:07:21.94 ID:q6OJlgc60
「Dランクに留まってる人はそれだけ戦って、勝ってるってことですからね。 勝った分だけ思いを背負ってしまう。 で、その思いが重い呪いになるんです。 どこまでも自分を縛る……」
私は彼女になんと答えだろうか。
思い出せない。
20:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:09:34.31 ID:q6OJlgc60
そんな呪いとなった重い思いで諦めきれなくなってた私の首切り役となった人がいる。
上泉玲音だった。あの時は十五歳だったと思う。
デビューからかすか二ヶ月でランクDまで上がってきたそんな彼女。
21:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:11:22.00 ID:q6OJlgc60
そしてその見立ては正解であった。
同じ舞台に上がったものだから分かる。
彼女は生まれついてのアイドルであった。
22:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:12:28.04 ID:q6OJlgc60
「頑張ってね上泉さん。 あなたならトップアイドルも夢じゃないわ」
「ありがとうございます。 えぇ、恐らくアタシはトップアイドルになるでしょうね。 ……でもそれじゃあ足りないんですよ」
「トップアイドルになるってのに、何が足りないの」
23:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 19:13:19.51 ID:q6OJlgc60
いつしか彼女は「オーバーランクアイドル」と呼ばれるようになっていった。
日本中が玲音に湧いている中、10年Dランクにい続けた私は、ひっそりと引退の話は決まった。
先のジンクスを知っていた事務所もプロデューサーも、同意した。
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