彼は普通の人でした
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7:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:45:19.73 ID:LdsVNk+T0
握手会は六部構成で、人気のないメンバーは全部に出るわけではないのですが、私は選抜メンバーということもあり六部全てで握手をさせてもらってます。

忙しい部だと、あっという間に時間は過ぎます。一部は大体一時間で、休憩をはさんで朝から夜まで続くのです。アイドルというのは、握手をするにも体力勝負な仕事とは、実際にそれを始めるまで知りもしませんでした。

とはいえ、全ての部が売り切れているわけではないので、暇な時間だってもちろんあります。

一部は鍵開けを狙う人たちがいっぱいいて完売していたから結構忙しく、頭をフル回転させながら接します。

この人は今日二週目だ、この人は前回初めて来てくれた人だ、この人は一日に一度来たら二度目はない。

効率よく、ファンを放さないように考えながらもしっかりと皆の目を見つめます。それだけで喜んでくれるのなら、私はいくらだって視線を送りましょう。

幸いにも一部のチケットは完売していたので、一時間ずっと忙しいままでした。

最後の方との握手を終えると、私は頭を下げて「お疲れ様でーす」と言い残してブースを去ります。電車さんに視線をチラッと向けると、お疲れ様ですと返してくれました。

握手を終えたメンバーと合流して、控室に向かいます。道中、「××さん、私のところに来てくれたよ。浮気性だね」だったり、「○○くん、今日も鍵開けだった〜。凄すぎて逆に引く」だったり、雑談をしていたのですが、やはり皆いい感想だけではないものです。

「またあのオタク来たよ、本当キモいから」「出禁にしなよ」といった、汚い感想が出てくる子もいます。

お客様は神様だ、とは到底思えないような接し方をしてくる人もいるものです。もしくは、人と人なので、どうしても合わない人だっているでしょう。

彼女たちの気持ちを否定することもできないとは思います。私だって、来ないでほしいなと思う人がいないわけじゃないのです。

「ほら、またアイナたち言ってるよ。人気あるからって、調子乗ってるよね」



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