彼は普通の人でした
1- 20
8:名無しNIPPER[saga]
2018/02/27(火) 00:17:19.50 ID:25nRpmQo0
彼女達は選抜メンバー常連です。それに、センターとは言いませんが良いポジションで、ソロパートだっていつも用意されています。

テレビの露出が多かったり、雑誌に載るような子たちからすると、握手会はただの肉体労働にしか思えないようです。

そっちに出た方が、より多くの人の目に映って、より多くの人にちやほやされるから。

私みたいな半端なメンバーからすると、そんなことは恐れ多くて口にするのも憚られるのですが、彼女たちはそれを隠す気にはならないようです。

「今度、○○くんと合コン開くんだ」

「え〜、私も誘ってよ」

○○くんは、今人気の若手俳優です。この間アイナちゃんがバラエティーに出た時に、確か一緒に出ていた気がします。

私たちは表向き『彼氏はいません、所属期間は恋愛はしません』ということになっています。勿論、アイナちゃんたちのように、みんながみんな潔白なわけではないのですが。

年頃の綺麗な少女たちが寄ってたかって、恋愛もするななんて難しいことでしょう。命短し恋せよ乙女、とはよく言ったものです。

私だって、良い相手がいるならば恋愛をしたいとは思います。とはいえ、このグループにいてそれがバレてしまうなら、私は今までにアイドル生活で培ってきた全てを失ってしまうでしょう。

ファンの失望。グループの脱退。信用の失墜。

ああ、考えるだけでも恐ろしい。それならば、恋愛をするのはまだ先、未来で構いません。私がよぼよぼに枯れる頃に、だれか引き取ってくれる優しさを見せてくれればいいのですが。

「どうだった、ミズキのところには誰が来たの?」

「うーん、いつも通りかな。ひろたんが来てくれたよ」

「出た、ミズキトップオタ。凄いよねぇ、色んな意味で」

色んな意味で、には皮肉が込められていることにも十分気が付いています。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
23Res/30.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice