女「――痴漢をやめてくださいと言ってるんです!」男「私は痴漢ではない。変態だ」
1- 20
5:名無しNIPPER
2018/02/24(土) 17:18:53.41 ID:WinSanok0
数学者「ふふふ、若造の割には勇気がある方だ。そこは褒めてやろう。だが、現実はそうでないのだよ。なぜなら今となっては数学者として、「実験として」結果的に周りから見たら痴漢行為をしていたということに過ぎないのだから」

若者「だからそれが屁理屈だと言っているんです」

女「そうよ。彼の言う通りだわ」

若者「それ見たことか」

女「もっと言いなさい」

若者は嬉しかった。特殊な場面ではあるが、憧れの女性と同じ立場に立っている事実に興奮すら覚えていた。

数学者「勇気ある若者よ。若いな」

数学者は気づいていたのだ。若者は若者であって、若者ではないことに……

若者「あぁん、あんま調子乗んない方がいいんじゃない痴漢野郎」

若者は数学者の胸元を掴みかかり、これでもかと挑発した。どうだろう、この勇ましくも醜い姿、恋した女にカッコいいところを見せようと悪者に挑む姿、これこそが男、いや漢の姿ではないだろうか。

(若者→勇気ある若者)

勇気ある若者「認めちまいなよ。自分は最低最悪の痴漢野郎ですってなぁ」

お知らせしよう。勇気若者のカッコいい場面はここで終了をお知らせする。胸ポケットスマホが零れ落ち、運悪くディスプレイが表示される形で落下をしてしまった。ディスプレイには女の顔がハッキリとわかる写真が映しだれていた。それも自宅でくつろいでいるパジャマ姿の女がである。

三人の中で静寂が流れた。

勇気ある若者「…………」

女「…………」

数学者「……とりあえず、手を放してくれるかな」

勇気ある若者は何も言わずそっと数学者の胸元から手を離し、うなだれるように手を下した。

女「……気持ち悪い」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
9Res/12.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice