96:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 02:00:47.97 ID:PoruoH2d0
がちゃ
ドアを開け、真っ暗な部屋の中を進んでいく。床に散乱するものを避けながら、ゆっくりと。
彼女は青白い月明かりに照らされ、その美しさに思わず息を飲む。
彼女は寝言の一つも言わず、静かに寝息をたてている。
おとぎ話で見る、眠りながら王子を待つお姫さまみたいだ。
「…………」
サーバルちゃんがぼくにとって特別な理由。それはいくらでもある。
支えてくれたから、一緒にこのちほーを冒険したから……もちろんそれもそうだけど。
「サーバルちゃん。ぼくの声が聞こえる?」
ぼくに「かばんちゃん」という名前を与えてくれた。
生まれた原因はサンドスターでも、ぼくに命を与えてくれたのは、サーバルちゃんだ。
サーバルちゃんの右手を両手で包む。
肌に感じる温度は冷たい。温めてあげたい。
「ぼくはここにいるよ」
彼女の耳元で、ぼくは小さく囁いた。
131Res/157.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20