86:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:55:46.19 ID:PoruoH2d0
「……けものはね、いつか必ず死ぬんだって。私はたまたま、それが早かったんだよ。もっとも、私は頭がおかしくなるだけかもしれないけど、それも死ぬのと同じようなものだよね」
「そんな……!」
「でも、私は平気だよ」
「……私ね、かばんちゃんと出会えて嬉しかった」
「さばんなちほーを飛び出して、一緒にいろんなちほーを冒険するの、とっても楽しかったよ」
「私がどうなっても、かばんちゃんとの大切な思い出は変わらないから」
「だから、大丈夫……」
嘘だ。
嘘だ、嘘だ。
平気なはずがない。
後悔してないはずがない。
だって、本当に平気なら、
どうしてそんなに悲しい顔をしているの?
「やだ……いやだよ、そんなの……」
「泣かないで……」
不安に駆られるぼくは、すがるようにサーバルちゃんの手を握る。
あんなに温かかったはずの右腕は、まるで屍のように冷たかった。
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