12:名無しNIPPER[saga]
2018/02/19(月) 01:54:59.35 ID:PL9Xl9Ik0
「リョウ様は、何で今日こちらに?」
ミヤビさんに問われて、返す。
「えっと、こっちのお姉さんに声をかけてもらって」
手をユイちゃんの方に向けると、今度はミヤビさんにツッコまれた。
「お姉さんって、ちゃんと名前で呼んであげてくださいよ」
「いや、人見知りなもんでして。つい」
「私だって、人見知りだけどリョウ様って呼んでるじゃないですか!」
今度はユイちゃんに言われてしまった。
「いや、人見知りの人が外で客引きなんて……」
「もう! そんなこと言うなら知らないですよ!」
ぷんっ、とわざとらしくそっぽを向いた。うへぇぇぇ可愛すぎ。何だこれ、最高か。
「あーあ、リョウ様のせいですよ。ほら、名前呼んであげて」
横で楽しそうに煽ってくるこの人、絶対ゲームのキャラにいるだろ。
そっぽを向いたまま、瞳だけでこちらをチラチラ見てくる彼女。
本当にユイちゃんと呼ぶべきなのか。
呼んだが最後「え〜キモイ〜」なんて言われたら、女性恐怖症待ったなし。いざ行かん、まだ見ぬ世界へってことになっちゃいますが。
いやしかし、ここで呼ばぬは武士の恥!
「……ユイちゃん? ご、ごめんなさい……」
くそぉぉぉ恥ずかしい! 名前呼ぶだけでこんなに緊張するとか無いから! 大学にいるジャガイモ女共は名前で呼ぶのも余裕なのに!
そっぽを向いてた首をこちらに向けると、少し恥ずかしそうに頬を染めながら、彼女は口を開いた。
「し、仕方ないですね。これからは名前で呼んでくださいよ?」
「はいっ」
ユイちゃんユイちゃんユイちゃんユイたんユイにゃんユイたそぺろぺろ……ユイ……。
「おーい、私のことも、名前で呼んでくださいねー?」
「了解ですミヤビさん!」
「私にも少しくらい恥ずかしがって呼んでよ!」
はっ、妄想から戻った勢いでつい素で言ってしまった。
「もう、まったく。それじゃ、可愛い可愛いユイちゃんに声かけられて、ホイホイついてきたってわけなんですか?」
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