14: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/02/16(金) 00:55:58.11 ID:oMgPCNNI0
―― うさぎだらけの街中
足の踏み場もないっつーか、車なんて一センチも進まないっつーか、交通機関そのものがマヒしている。
当然街は大パニックだった。
人と兎でごった返す中、俺と智絵里は徒歩で進み続ける。
「智絵里、大丈夫か? はぐれるから手を離さないようにな!」
「は、はい……っ」
道々、なんとなくわかったことがまたある。
兎はどうもリアルな生き物じゃないということだ。
これだけもふもふだらけだと車に轢かれたり踏んづけられたりする兎も決して少なくはなく、
必然として街並みはなかなかハードなグロ画像になる筈だが、さにあらず。
どうも何かのダメージを受けたり、びっくりしたりを引き金に、煙のようにポンッと消えるのだ。
あちこちで兎がポンポン消えて、それ以上のペースで増殖しての繰り返しだった。
とにかく、対抗手段がないわけではない……一匹一匹を消してどうなるという話ではあれ。
この件はみくやちひろさんにも連絡して共有しておこう。
「ってことです。ちひろさん、そっちの方は頼みます」
『はいはい、事務処理の方も出来ることから片付けてますよ。まったくまた人外魔境に飛び込んで……』
「好きでやってるんじゃないですよ!」
ちなみにもしやと思い楓さんにも電話してみたが、昨日しこたま飲んだらしく二日酔いでくたばっていた。
大天狗を飲み負かすような人間がそんな体たらくということは、昨夜は志乃さんとでも飲んでいたのか。
今日はあの人には頼れそうにないな……。
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