3:名無しNIPPER[saga]
2018/02/11(日) 12:27:11.16 ID:IaGgYaLS0
執務室に入り、この部屋唯一の椅子に座る。
「しかし、なんともまぁ趣味の悪い部屋だな」
一言で言うなら成金趣味。純金を使った家具が多く置かれ、金以外にも贅沢で高価な素材を使用した物ばかりだ。
「それに、綺麗にしてはあるが……かなり臭うな」
一心は警察犬に勝る嗅覚を誇っており、それ故この部屋に染み付いた血とその他の臭いが気になって仕方がないようだ。
「て、提督……お待たせいたしました」
「おう、入っていいぞ」
「し、失礼します」
入って来たのは榛名だけではない。大柄の女性が1人と、榛名と同じぐらいに見える女性が2人だ。
「私は提督不在の間、代理でこの鎮守府を管理していた戦艦長門だ」
「そりゃご苦労さん。俺は此処の新しい提督、勘解由小路一心だ」
「早速で悪いが、お前には早々に帰ってもらうことになる」
「ほう?」
「見れば人間としてはかなり鍛え上げているようだが、無駄だ。殺されたくなければ早々に此処を去れ。私達は人間など信用していない」
敵意と殺意剥き出しの視線。確かに、人間を下に見るだけあってその殺気は強烈なものだ。並みの人間であれば卒倒するだろう。そう、並みの人間であればだ。
「おいおい。前任がいくら酷かったって言っても、来たばかりの俺に殺気向けるのは筋違いだろ?」
「黙れ。お前達は皆同じだ。国を護る私達をただの道具としてしか見ていないばかりか、化け物と罵り鬱憤の捌け口としてしか考えていないんだろう」
「……ククッ」
思わず、笑いがこみ上げた。それを見た4人は目を見開き、更にその殺気を増大させた。
「テメエ!何笑ってやがんだ!」
「落ち着け天龍。貴様、何が可笑しい?」
「ハハッ……いやいや、すまんな。俺にはお前達が化け物には見えなくてよ」
「何を言うかと思えば……貴様等は力を持つ私達を畏怖して化け物と呼ぶだろうが!」
長門は叫び、机を殴る。物凄い轟音と共に机は木端微塵になった。
「これが艦娘の力だ、人間」
「ほう……じゃあ、俺も見せてやるよ」
「なに?」
「本物の化け物の力をだ」
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