果南「──揃わない誕生日。」
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5: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2018/02/09(金) 23:48:24.04 ID:DwZz2Xwp0




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私が教室の椅子に座ってぼんやり過ごしていると、突然目の前に、黒い制服姿の金髪美少女。


鞠莉「ねぇ、果南。今年のBirthdayは何する?」


珍しく鞠莉が自分から話し掛けてくる。

首から垂れる白いタイと冬服特有の長袖を見ながら、そういえばもうそんな時期かと思い至る。


果南「えー……普通でいいよ」

鞠莉「Usually... 船上パーティくらい?」

ダイヤ「何処の世界の普通ですか……せめて屋形船くらいでしょう」

果南「それがどこの世界の普通なのか、鞠莉とダイヤが近くに居るとおかしくなりそうだよ……」


自然とダイヤも会話に加わってきて、突拍子も無いことを言い出すから、頭が痛くなる。


果南「普通に女子中学生の誕生日でいいって……」

鞠莉「果南! あなたはそれでも日本人なのデースか?! 日本人といえば、お祭り大好き! 毎日がFestivalなくらいでもおかしくない国なのよ!」

果南「偏見だよ」

ダイヤ「偏見ですわ」


ダイヤと台詞が被る。まあ、偏見だし。


鞠莉「でも、果南のBirthdayでちゃんとしたPartyしたことないじゃない!」

果南「? 去年は鞠莉の家でパーティやった気がするけど……」

鞠莉「あれがParty!? 果南、それはちょっと感覚がおかしいわ!」

ダイヤ「……たぶん、鞠莉さんの方がおかしいと思いますけれど……」


全く、日本に来てからもうそこそこ経つのに、なんで日本人に対する偏見が鞠莉から消えないのか……。

いや、というか金持ち故の偏見だろうか。

船上パーティ──それはそれで楽しそうだなとは思うけど……やっぱりなんだかまだ子供の自分には分不相応な気がして気が引ける。

鞠莉やダイヤみたいなお嬢様だったら、多少は絵になるのかもしれないけど……


果南「とにかく、そんな奇とかてらわなくていいから」

鞠莉「キヲテラウ?」

ダイヤ「奇を衒う。変に普通と違うことをしなくてもいいとのことですよ」

鞠莉「……ふーん、ま、果南がその方がいいなら、それでいいけど」

果南「どうせ、誕生日なんて、来年も再来年もまたくるんだしさー……」

ダイヤ「……年寄り臭いですわよ」


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