87:名無しNIPPER[saga]
2018/04/20(金) 01:22:01.81 ID:fFo8HSJq0
【疑念】
佑希の話は、俺が前提を見誤ってたとはいえ概ね納得のいくものだった。
俺は佑希を妹として見られずに──同時に奈雨を妹のように思いたくて──二人に対してぶしつけな態度を取り続けていた。
二人の確執は俺が原因だ、と個々の事象のみを考えた場合言ってしまえるだろう。
けれど佑希は"俺が悪い"ではなく"奈雨が悪い"と言った。
そして、"同じはずなのに"、"結局はそうなっていた"と続けた。
奈雨と俺の関係についても、"付き合っているならいい"と言っていた。
ひとつひとつの事象を切り離して考えるのではなくすべてをひとつの流れとして捉えたとき、それらを無条件に信じてしまっていいのだろうか?
ただでさえ俺たちは同い年であるのに、そこまでして妹という場所にこだわる必要はあるのだろうか?
俺に突き放してほしかった理由は何だったのだろうか? 普通に甘えたかったのなら何をそこまで気にしていたのだろうか?
俺の人との接し方では、何かを推察するところまではできても最終的な結論に至ることはない。
実際に自分が見聞きした内容でしか判断を下せないことは勿論のこと、大きな見落としがあったとしても気が付けないから。
『もしも』の可能性は内に留めておくべきものであり、迂闊に外へさらすべきではない。
一番近くにいると思っていた人でさえ全く見通せていなかったのに、ましてや他人に手前勝手な想像を押しつけるわけにはいかない。
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