75:名無しNIPPER[saga]
2018/04/06(金) 18:18:56.37 ID:LZXIfz580
「一歩目が出ると二歩目が出てしまうのは、自然なことなのかなって」
こういうふうにさ、と右足を一段目に乗せる。
一歩目。二歩目。歩いているのなら、それは自然なことで間違いはない。
ただ当たり前のことを答えてほしいわけではないことは分かるけど、それだけ分かっていたって意味はない。
「大喜利?」と訊ねると、「真面目に考えて」と諭されてしまった。
いや、真面目にって言われてもなあ……。
いつもの未来くんならもう少し分かりやすく話してくれるのに。
こういう含みのある言い回しはあの人が好みそうだな、と無駄なことが頭に浮かぶ。
「……足を合わせることは、できたりする、かも」
捻り出した答えだったが、口にしてから気付く。
「あっ、でもそれだと、二歩目を出してるのと変わらない」
「そうだね」
「……ごめん。それしか思いつかなかった」
緊張と、恥ずかしさも相まって目を逸らす。
少しばかり微笑む声が聞こえたと思えば、
「まあ大丈夫だよ。今の質問に答えなんてないし」
私がさっき言ったように、左足を右足の隣に並べた。
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