72:名無しNIPPER[saga]
2018/04/06(金) 18:15:57.23 ID:LZXIfz580
「そのまましたの?」
「いや、しては……ない」
「なら別に」
「……」
「……良くはないか」
ははは、と未来くんはため息混じりに乾き笑いを浮かべた。
つられて私もひきつった顔をした。誰もいない校舎がまた一層冷たさを増したように感じる。
「抱きつくまでなら、スキンシップだからって納得はできるけど、キスとなるとさすがに……ね?」
同意を求める形になってしまったが、彼は数秒遅れで頷いた。
「つまり、からかいではないと仮定して、そうしようとした真意がわからなくて困ってると」
「……うん」
「そっか」
言い出すか言いださまいか、彼は口を開いて閉じてを繰り返す。
沈黙が耳に痛くて、隙間を埋めるように私は両手を自分の胸のあたりで数回振った。
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