追われてます!'
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71:名無しNIPPER[saga]
2018/04/06(金) 18:14:57.96 ID:LZXIfz580

「キス……を」

 されそうになったんだけど……、と続けたかったのだが、彼が突然立ち止まったことにより遮られた。

 びくりともしないくらいに固まっているけれど、そこまで引っかかりのあるワードとは思えない。

「あ、未来くんもなうちゃんと」

 しまった、と思ったときにはもう遅かった。口に出ていた。
 申し訳なさと気恥ずかしさが相まって、横を見られない。

「まあそれはおいといて」

 と彼が殊更に低いトーンで無理やり話題を飛ばそうとしたのは十数秒後のことで、そういう関係でしかも否定しないのか……などとは思いつつも、そこは掘り下げずに本来の話題に戻すことにした。

「昨日部長さんの家にお邪魔したときに、こう、いつもみたいに身体を近付けられてね」

「……へえ」

「それだけだったらまあって感じで……いや、それでも結構削られるから、許せるとかじゃないけど……なんていうか……」

「……勝手にどうぞ?」

「あ、うん。そうそう。そうだったんだけど、……首に手をまわされて、押し倒されるみたいに唇を近付けられたらさ、誰だって身構えるし、されるって思って……」




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