46:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:54:55.34 ID:XJms5aKo0
もう訊かずともわかっていることだった。
確認したかったことは、直に訊ねることなく確認できてしまっていた。
でも、それでも彼女の口から俺が訊ねたことへの答えを聞きたかった。
そうでないと、これまでと何も変わらないから。
「ずっと『頑張らなくてもいい』って言ってほしかったのか?」
最初は、"勝ちたい"や"頑張りたい"などの気持ちが理由だったことは間違いない。
それは確信している。……確信した上で、それが今の今まで続いているとも思っていた。
他人からの評価を気にせずに、敵はあくまで自分だと、決して満足することのなかった佑希。
その驕らない姿勢を、多くを語らずにもっと上を目指すような在り方を、彼女の飽くなき向上心の現れだと思っていた。
実際は、まるで違っていた。
"わからなかった"んだ。自分がどこまで頑張ればいいのか、どこまで行けば終わりが見えるのか。
自信があって道を切り拓こうとしていたのではなく、後ろを振り向けないがゆえに進んでいくしかなかったんだ。
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