316:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:50:08.81 ID:3FrzmiYZ0
「俺、行ってきましょうか?」
と提案すると、
「……私、先生に用事あるんだった」
と東雲さんが姿勢を起こした。
先輩は少し呆気に取られたような表情で彼女を窺う。
「入部届、ちゃんと出してきます」
「あー、でもいま?」
「はい、気が変わらないうちに。ついでに書類も出してきますよ」
「そっか」
東雲さんが出ていってしまったから、当然のように部室に二人になる。
身体をあげて、椅子の背もたれに身をあずけた先輩は、どこかへ向けて首を左右に揺する。
そして、その様子を見ていた俺に向けて、ごまかすような笑みをつくる。
内緒だよ、と言われてもいない言葉が耳に入ってくるような感覚だった。
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